山本 文緒著「再婚生活 私のうつ闘病日記 (角川文庫) 」読みました。 2015.5.31

 お勧めの山本 文緒著「再婚生活 私のうつ闘病日記 (角川文庫) 」読みました。

 作者は精神的に不安定になり、夫と相談のうえ、療養のため沖縄移住計画を立てようとしました。私は沖縄へは行ったことがありませんので何とも言えませんが、沖縄は年中温暖か暑いので、穏やかに過ごすのには最適と言えるのかもしれません。作者は北海道をその沖縄の代わりにしているのか別荘を持っているので、適当に自分の居場所を北の地に移して創作活動に励んでいるので、都会の喧騒を上手にかわしているように思います。 

 心の傷というのは人によって、特に感情の機微に繊細な人にとっては、なかなか癒えないものと思います。特にある種のインテリの人たちは時に遭遇する社会の理不尽さに到底納得がいかず、気持ちを切り替えることがなかなかできないといいます。案外打たれ弱いのです。 

 それにしても、この作者の思考には、ユーモアではなく、ある種の驕慢さがあるように思います。夫を「王子」と呼んだり。勿論軽妙なジョークということはわかりますが、夫を軽く見ていることは否めない感があります。第一、別居夫婦でしょう。どんな事情があるのか知れませんが、夫婦生活が一体となっていないのであれば、相互理解を求めようとすることに最初から諦めがあるように思います。例え直木賞を受賞したからといって(私のいう一般論として、最近の芥川もそうやけど直木賞作家も大したこと考えてないからな、ただ出版社はこの本が売れるかについてはよく考えている)、大したことを考えることが出来る人ではないように思います。

 最近、知り合いに勧められて同じ直木賞作家の江國香織さんの「きらきらひかる」を読みました。この作品も微妙な夫婦関係を描いていますがかなり問題が深刻です。これは非常に哀しいです。こっちの方は問題作です。少し感心しました。

 心に余裕のある時にでも一度手にしてください。